普段使用しているバスアイテムとして、軽石があります。
軽石で肌を軽くこすれば、角質を除去できるとあって古くから使用されています。
また、軽石はお墓の外柵としても使用されていた時代がありました。
何かと使用する機会が多い軽石ですが、実は多くの種類があるのをご存じでしょうか。
では、軽石には具体的にどのような種類があるのでしょうか。
この記事では、軽石の特徴や種類、そして使い方まで詳しく解説します。
軽石とは?
軽石とは、多孔質で密度の小さい火山砕屑物の一種となります。
軽石は、浮石や浮岩と呼ばれるケースも多いです。
火山砕屑物としてはスコリアも有名ですが、主に色調が淡色のものは軽石、暗色のものはスコリアと分類されています。
さらに、4mm未満の微細な軽石のことをパミサイトと呼ばれています。
結晶構造を持たないため、火山ガラスに分類されるのが特徴です。
水や二酸化炭素、火山ガスを含有している溶岩が、急速に冷却や減圧された結果として、溶岩に溶解している水や二酸化炭素などが炭酸飲料のように気泡が発生した状態で固化して形成されます。
軽石は、通常は融けたマグマから直接生成されますが、1989年に発生した手石海丘噴火では異なるケースで生成されたことが報告されました。
具体的には、白っぽく発泡した軽石の外側に黒っぽい溶岩が付着して、黒色の溶岩が手石海丘噴火を引き起こしたマグマと判断されました。
内側の白っぽい部分を調査した結果、伊豆半島に広く分布している第三紀の凝灰岩が発泡したものであることが発覚したのです。
要するに、手石海丘噴火を起こしたマグマの通り道にあった古い岩石が、マグマにより加熱されて一部が融けて発泡したものと考えられています。
軽石の特徴
軽石の特徴として、気泡が含まれているので見かけ上の比重が水よりも軽量であり、気泡に浸水して比重が重くなるまで水に沈みません。
ただし、水に浮かぶことによる弊害として、魚などの海中生物が誤飲すると消化器やエラを詰まらせて死亡するケースが多発しています。
また、以下のようなトラブルを引き起こすケースもあるのです。
- 水中で光合成をおこなう生物への妨害
- 外来種を運搬する
- 船のエンジンが軽石を取り込んで故障する
- 港に押し寄せて接岸を妨害する
- 船と接触して摩耗や損壊させる
- 工場などの海水取水口で閉塞や破損が発生する
軽石は、多くの気泡により浮遊性が高いだけでなく、排水性や通気性、保水性に優れている特徴があります。
これにより、観葉植物の生育環境を整えるために広く活用されています。
また、断熱性や遮音性も高いため、用途の大部分は建築に使用されるのが特徴です。
昔はお墓の外柵にも使われていた
軽石は、古くはお墓の外柵に使用されていた時期もありました。
昔は、外柵を大谷石と呼ばれる軽石凝灰岩の一種といった、加工しやすい石材で施工していたためです。
ただし、軽石は劣化しやすく隣の外柵に傷をつけてしまうため、今では使用する機会が減っています。
軽石の種類
軽石といっても、実際には様々な種類が存在しています
主な軽石の種類と特徴をまとめると、以下のようになります。
軽石の種類 | 特徴 |
鹿沼土 | 栃木県の鹿沼地方で採取される火山灰の一種の用土。通気性や排水性、水もちの良い用土であり、やや酸性に傾いている特徴がある。主にサツキを育てるために適した水もちがあり、さらに通気性や酸性の土として盆栽家に愛用されている。 |
日向土 | ボラ土とも呼ばれている軽石の一種。鹿沼土よりも硬度があり、軽石よりも柔らかい性質がある。水に浮く軽石と違い、内部まで水が通過できる性質があるため、水に入れると沈む。酸性に傾く鹿沼土と異なり、酸度は中性である。 |
富士砂 | 火山灰の一種の用土であり、静岡県の富士山周辺で多く産出されるため、富士砂と命名されている。山野草の栽培や黒色であることから、表土の化粧砂として使用されている。 |
桐生砂 | 火山灰の一種の用土であり、群馬県南部の桐生市付近で多く産出されるため桐生砂と呼ばれている。赤さび色で東洋ランやオモト、山野草の栽培に使用される。 |
蝦夷砂 | 火山灰の一種の用土であり、北海道で産出されたものを蝦夷砂と呼ぶ。軽石と同様な色であり、小粒から大粒まで存在する。ランやサツキ、山野草の栽培に適している。 |
十和田砂 | 火山灰の一種の用土となり、主に青森県十和田湖付近で産出されたものを指す。保水力が高い一方で、排水性、通気性にも優れている。 |
以上のように、様々な種類があるため用途などに応じて適切な軽石を選定して使用してください。
軽石の使用用途
軽石には様々な種類があるため、多くのシーンで活用されています。
主な用途として、以下が有名です。
- かかとのケアに使う
- 鉢底石として使う
- 土壌の改善に利用する
- 土の代用品として使う
- 軽石鉢として使う
- プランター葬に使う
各用途について、詳しく見ていきましょう。
かかとのケアに使う
軽石が広く使用されるシーンとして、かかとのケアがあります。
軽石は天然の角質ケアアイテムとも呼ばれており、乾燥して硬くなってかさついた足裏をなめらかにする効果があります。
軽石を使用する際には、ぬるま湯などにかかとを浸して、肌を充分柔らかくしてから使用します。
角質の部分を強くこすると、肌を傷つけてしまうリスクがあるので注意してください。
鉢底石として使う
軽石は、鉢底石としても広く使用されています。
プランターや鉢の底の部分に大粒の軽石を使用すれば、通気性と排水性が高めることが可能です。
これにより、根の生育が良くなり植物を育てやすくなります。
なお、軽石の硬質の性質を利用して繰り返し使用できる点も大きなメリットです。
最近では、より再利用しやすいようにネットに入れて販売されている場合もあります。
土壌の改善に利用する
園芸などをおこなう際に、通気性を確保した土壌としたい場合があります。
その場合、粒の小さい軽石をほかの用土と組み合わせれば、通気性のある土壌に改良が可能です。
また、水はけがよくなるので根腐れを起こすリスクも軽減できます。
土の代用品として使う
植物の中には、あまり水分をあまり必要としないものも存在します。
過度に水を与えて育てる必要があい植物の場合、土の代わりに軽石を使用するケースも多いです。
軽石で育てられるものとしては、以下があります。
- 多肉植物
- 盆栽
- 山野草
- ラン
白や赤茶色などに着色された軽石もあるので、見た目もおしゃれにできる点も魅力的です。
軽石鉢として使う
軽石鉢とは、ある程度の大きさをもった軽石の鉢を指します。
通気性に優れており、独特の雰囲気を持ち合わせているのが特徴です。
これにより、乾燥に強い植物や山野草、盆栽などの鉢として使用されるケースが多いです。
鉢の姿が魅力的であり、室内のインテリアとしても活用されています。
市販されている物はもちろんですが、軽石は柔らかい物が多いため、好みにあった大きさや姿の物を手作りすることもできますよ。
プランター葬に使う
飼育しているペットの葬儀方法として、プランター葬があります。
プランター葬とは、植木鉢に土を入れて、その中にペットを埋葬する方法となります。
プランター葬は、特に以下の方におすすめです。
- 遺体を自然に還したい方
- 埋葬にかける費用を抑制したい方
- 引っ越しなどの予定がある方
庭がない家庭でも、土葬と同じ様にペットを自然に還すことができる点がプランター葬の最大の特徴です。
プランター葬に適した動物は、ハムスターや小鳥などの小動物となります。
プラスチック製のプランターは耐久性がないため、破損してしまう可能性があるため必ず陶器のプランターを用意します。
そして、以下のようなものを使用するのが一般的です。
- 受け皿
- タネ、苗
- 培養土や腐葉土
- 肥料
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- スコップ
- じょうろ
ここで活躍するのが、軽石の鉢底石です。
水はけがよいため、プランター葬の鉢底石として広く使用されています。
まとめ
軽石は、特に園芸が好きな方にとっては欠かせない素材の1つです。
また、過去はお墓の外柵としても広く使用されており、プランター葬でも軽石が使用されているなど、葬儀関連でも活用されています。
軽石をうまく活用して、より生活を豊かにしましょう。
社団法人蓮華では、葬儀などに関する有益な情報を多く提供していますので、ぜひご参考にしてください。
プロフィール
- 一般社団法人蓮華は高齢者様を一人にさせず、一人一人に対して真心を持って接していく会員制の団体です。 直面している社会問題を寄り添い共に考え、より良い未来を作り、 人生を豊かにしていくサポートを行っていきます。
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