白骨化とは?白骨化する原因・期間や孤独死を防ぐ方法を解説

 

人体模型などでは、白骨状態の模型が学校の理科室などに導入されています。

同様の形ではないものの、不幸にも白骨化した形で遺体が発見されるケースがあります。

発見した人からすればショッキングな出来事となりますが、人間はなぜ白骨化してしまうのでしょうか。

この記事では、白骨化する原因や期間、孤独死を防止する方法を紹介します。

白骨化とは?

白骨化とは、硬い骨を持つ脊椎動物の死体が何らかの理由で長期間放置されて、腐食や風化した結果、皮膚や筋肉、内臓などの組織の大半が抜け落ちてほとんど骨格だけが残された状態を指します。

海などの塩分濃度の高い水中では、白骨化が急速に進む特徴があります。

白骨化は骨を持つあらゆる生物に該当しますが、ニュースや新聞では何らかの事件や事故に巻き込まれて行方不明になっていた人物について、長期間発見されずに発見された時に骨だけになった状態の場合に白骨化と表現する場合が多いです。

発見された遺体が白骨化していると、発見されなかった期間にもよるものの衣服や持ち物もすでに原形をとどめていないケースが大半です。

また、散逸している場合もあるため、身元を特定する手がかりになる可能性は低くなります。

殺人などで遺棄された遺体は、発見されなければ遅かれ早かれ確実に白骨化し、白骨化した遺体から身元を特定することが困難となります。

また、死因を特定することも困難となるため。そのため、事件なのか事故なのかも判別できず、骨に蓄積する毒物などが検出されない限りは自殺なのか他殺なのかも特定できません。

ミイラとの違い

白骨化と似たものとして、ミイラがあります。

ミイラとは、人工的または自然に体が乾燥し、長期間生存していたかのような姿をとどめている遺体のことです。

古代からミイラは人工的に生成されており、数千年の時が経過してもいまだに生きていた時の面影を漂わせているものも多いです。

遺体がミイラになる場合、死んだ後で体が腐敗するよりも早く急激に乾燥する必要があります。

自然条件では、成人1人がミイラになるのに約3ヶ月かかるとされていますが、自然環境では内臓などの処理が施されることはありません。

よって、完全なミイラになる例は稀であり、一部分のみミイラとなる場合があります。

イメージとしては、ミイラはまだ体の原型をかろうじてとどめている状態、白骨化はほぼ体の原型をとどめておらず骨だけになった状態という違いがあります。

白骨化するまでの期間

人間が死亡して白骨化するまでにかかる時間は、腐肉食動物による死体の損壊や周囲の環境にも強く影響されます。

一般的には、地上に放置されているケースでは、夏は1週間から10日、冬で数か月以上かかると言われています。

また、乾いた土中に埋没されていたケースでは、大人で7年から8年、水中においては夏場で2週間、冬場では1か月で頭蓋骨の一部が露出する形です。

骨格標本を作製するために意図的に死体を白骨化させるケースでは、炭酸ナトリウム1%の水溶液につけて沸騰させずに煮込むと、比較的短時間で白骨化させることが可能です。

骨を損傷させることなく、骨の中にある油や雑菌を除去できるので、保存性が良くなります。

白骨化と表現されていますが、実際の色は必ずしも白くなく保存状態が悪く骨が傷んでいる場合や埋葬時期が古い場合は、土のような色に変色する場合が多いです。

遺体が白骨化する原因

遺体が白骨化する原因には、様々な要因があります。

殺人などにより遺体を誰も目につかない場所に破棄したり、焼却により白骨化させたりすりすることがあります。

それ以外にも、現代社会において問題となっているのが、孤独死の発見が遅れて白骨化してしまうケースです。

孤独死の発見が遅れた

孤独死とは、誰にも看取られない状態で1人で亡くなる場合を指します。

例えば、一人暮らしの老人が自宅でひっそりと亡くなった場合は孤独死に該当します

同じ独居老人であったとしても、友人や知人と過ごしている間や病院で亡くなった場合は孤独死とは言いません。

また、孤独死という表現に年齢制限はなく、30代や40代の働き盛りの世代であっても、誰にも看取られずに孤独死する可能性があります。

孤独死の場合、発見までにどうしても時間がかかってしまう傾向にあるため、白骨化してしまう場合が多いです。

昨今、以下のような形で発見されるというケースが増えています。

突き刺さるような寒さの冬のある日、特殊清掃人の上東丙唆祥(じょうとう ひさよし)さんは、特殊清掃現場である某所の団地に向かっていた。ほどなくして、老齢の女性が現れた。

女性によると、この団地でひきこもりの末の孤独死があり、その清掃をお願いしたのだという。亡くなったのは姉の息子、つまり女性の甥っ子にあたる男性、高橋さん(仮名)だ。高橋さんは、40代前半という若さで、この団地で孤独死していた――。

近所の住民が部屋の前から異様な臭いが発生していることに気がつき、管理人室に駆け込んだ。その後、通報を受けた警察がすぐに部屋に突入したが、時すでに遅く、奥のこたつのある部屋で息絶えていたという。死因は不明だが、警察によると死後1カ月が経過していた。

引用:東洋経済オンライン

孤独死は現代社会における大きな問題の1つであり、各方面で対策が進んでいるものの、白骨化されてから発見されるケースは少なくなりません。

孤独死への対策方法

白骨化で発見されるケースの大半が、孤独死によるものです。

そこで、孤独死対策をしっかりとおこなうことができれば、より早く発見されて白骨化する前に発見できます。

孤独死への対策として、主に以下が有効となります。

  • 自治体・企業のサービスを利用する
  • 計画的に貯蓄する
  • 近所の人と交流する
  • 老人ホームを利用する

孤独死対策の各方法について、詳しく解説します。

自治体・企業のサービスを利用する

各自治体では、孤独死を防止するために様々なサービスを提供しています。

自治体における代表的な事例としては、以下が有名です。

自治体名 取組名 詳細
福島県三島町 町の防災端末(TV電話)を活用した見守り通報サービス 概ね75才以上の一人暮らしの高齢者を対象として希望者にペンダントを配付し、自宅内で発生した緊急時に、そのペンダントを押すことにより、民間委託会社へ自動通報され、状況により救急車の手配、予め登録した協力員、家族などへ連絡する。

24時間対応で自己負担あり(500円/月)

茨城県下妻市 ひとりぐらし老人給食サービス 65才以上のひとりぐらし高齢者に毎月2回給食を届ける。各地区の民生委員が、毎月2回(第1・第3木曜日)に給食を届け安否確認、健康維持、孤独感の解消を図る。
栃木県下野市 民間事業者と連携した見守り活動 民生委員児童委員とタイアップして、一人暮らし高齢者・高齢者のみ世帯等・障碍者・特定疾患患者の要援護世帯を把握し、継続的に見守りを実施。

民生委員、新聞配達員、郵便配達員、水道メーター検針員、ヤクルト販売員等(高齢者見守りネットワーク協力機関)を活用し、新聞や郵便物がたまる、日中もカーテンが閉まっている、水道使用量が少ない等普段と違う状況があった場合、高齢福祉課に通報(転送電話で24時間対応)。

通報を受けた高齢福祉課又は社会福祉課は、要援護者の担当民生委員児童委員と連絡を取り、緊急時の連絡先に連絡し、安否確認等を実施。

岡山県真庭市 要援護者台帳の作成 要援護者台帳を作成するにあたり、民生委員に一人暮らし高齢者、高齢者世帯を訪問し登録を促す。(同意確認)

その訪問をした際、その方の状況等を把握し、適切な支援を継続的に行っていく。

引用元:厚生労働省 孤立死防止対策取組事例一覧

上記はあくまでも一例となり、多くの自治体が孤独死を防止するサービスを提供しています。

自治体が提供するサービスでありますが、一部では自己負担が必要となるサービスもあるため、内容はよくチェックしてください。

他にも、民間企業でも孤独死を防止するためのサービスを提供しています。

民間サービスでは、接触型、非接触型、対面型の3種類のサービスを提供しており、代表的なサービスは以下のとおりです。

  • みまもりサポート(ALSOK)
  • 親の見守りプラン(セコム)
  • みまもりホットラインiポット(象印)
  • 見守りコンセントWi-Fi-plug(パワーエレック)
  • 遠くても安心プラン(東京電力)
  • 見守り電気(アイキューフォーメーション)
  • くらし見守りサービス(東京ガス)
  • みまもり訪問サービス(郵便局)
  • ごえん
  • 見守りにーよんコール
  • 孤独死防止サービス

民間サービスを利用する場合は費用がかかりますが、より手厚いサービスを期待できます。

費用などをしっかりとチェックして、利用するかどうかをよく検討してください。

計画的に貯蓄する

孤独死してしまうパターンとして、徐々に社会から孤立してしまうというケースがあります。

なぜ社会から孤立してしまうかと言えば、経済力不足による場合が多いです。

一生独身で過ごしていて、徐々に親の介護が必要になり場合によっては離職して介護に専念しなければなりません。

また、余裕がない生活を続けていると徐々に社会から孤立してしまい、やがて自分が介護が必要になっても誰も助けてくれる人がおらず、結果として孤独死してしまう場合があります。

そこで、計画的に貯蓄していざという時に備えておくとよいでしょう。

近所の人と交流する

孤独死を防止する方法として、近所の人と密に交流するのも有効的です。

昨今、地域のコミュニティが希薄になりつつあると言われており、いわゆる近所付き合いする機会も減っている状況です。

普段から近隣住民と付き合いがあれば、もし姿を見かけなくなると不審に思い自宅などを確認して早期に発見される可能性が高いです。

逆に、近所付き合いが希薄である場合、いつまでも発見されずに孤独死または白骨化で発見されるリスクがあります。

以上から、近隣住民と普段からコミュニケーションを取っておくのがおすすめです。

特に、地域行事などには積極的に参加してコミュニケーションを取りましょう。

老人ホームを利用する

1人暮らししている方の場合、様々な対策をおこなっても孤独死を完全に防止するのは難しいものです。

そこで、常に誰かがそばにいる状況をつく出すことが重要となり、老人ホームの利用がおすすめです。

老人ホームの場合、担当スタッフのほかにも同居者が多くいるために、もし万が一のことがあっても気づいてもらいやすいメリットがあります。

老人ホームの場合、費用を負担しなければならないデメリットがあるものの、孤独死対策として検討したい方法となります。

まとめ

白骨化は、人間の姿をほぼ留めていない状態となります。

もし、家族や知人が白骨化された状態で発見されては、とても悲しいものです。

よって、普段から密にコミュニケーションを取って、孤独死を防止しましょう。

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