団塊の世代とは|由来や特徴、現在の年齢から他の世代まで詳しく解説

世間一般的に、団塊の世代という言葉が広く知られています。

団塊の世代は、良くも悪くも注目される存在でありますが、そもそもなぜ団塊の世代と呼ばれるようになったのでしょうか

この記事では、団塊の世代の概要や特徴などについて、詳しく解説します。

団塊の世代とは

団塊の世代について解説すると、日本において第一次ベビーブーム時に生まれた世代のことを指します。

いわゆる、焼け跡世代の次の世代となり、具体的には第二次世界大戦直後の1947年4月2日から1950年4月1日に生まれた人を指します。

文化や思想面で共通している戦後世代を指し、大学進学した人にとっては学生運動が最も盛んな時期を過ごした形です。

第一次ベビーブーム世代とも呼ばれており、日本経済としては第二次世界大戦後の高度経済成長とバブル景気を経験しています。

なお、団塊の世代よりも数年前に生まれた世代のことを、プレ団塊の世代と呼ぶケースがあります。

また、1946年4月2日から1947年4月1日に生まれた人については、学年全員が第二次世界大戦後でありベビーブーム前となるため、団塊の世代に含める場合と焼け跡世代や戦中生まれ世代に含める場合があります。

団塊の世代の由来

団塊の世代は、生まれた直後にこのように世代を命名されているわけではありません。

1974年に、当時の通商産業省の官僚であった堺屋太一氏により執筆された、未来予測小説の題名 「団塊の世代」が由来とされています。

「団塊の世代」では、オイルショック後における日本経済がこの世代によってどのように変化するのかを描いた小説です。

なお、厚生労働省では白書において「団塊の世代」という名称ではなく、「団塊世代(1947年〜1949年生まれ)」としています。

団塊の世代の現在の年齢

団塊の世代は、1947年4月2日から1950年4月1日に生まれた人を指しますので、2023年現在で言えば70歳代前半の人が該当します。

団塊の世代の人口

団塊の世代に該当する3年間の年間出生数は、260万人を超えています。

年別にみると、以下のように推移しています。

  • 1947年生まれ:2,678,792人
  • 1948年生まれ:2,681,624人
  • 1949年生まれ:2,696,638人

3年間の合計出生数は、約806万人にのぼっており実に多くの人が団塊の世代に該当するのです。

団塊の世代の特徴

団塊の世代は、単に多くの人が生まれた世代というだけではありません。

団塊の世代には、主に以下のような特徴があります。

  • 高校・大学への進学率が増加
  • 競争意識・仲間意識が強い
  • 努力は報われるという思考
  • 流行のものが好き

各特徴について、詳しく解説します。

高校・大学への進学率が増加

団塊の世代の場合、高等学校や大学への進学率が非常に高い特徴があります。

団塊の世代がちょうど学齢に達した頃に顕著に進学率が上がり、それまでは50%程度となっていた高等学校の進学率が、団塊の世代が進学した1962年には約64%にまで上昇しました。

その後も高等学校や大学の進学率は上昇し続けていますが、団塊の世代は高学歴化の象徴となっていたのです。

また、団塊の世代が生まれた年において、就業者に占める雇用者の割合は3割程度でした。

現在では、団塊の世代の約7割は雇用者となっており、団塊の世代はサラリーマン化を定着させたと言われています。

さらに、サラリーマンの夫と専業主婦の妻、そして子供という核家族の形態も増加した形です。

競争意識・仲間意識が強い

団塊の世代の場合、競争意識や仲間意識が強いという特徴もあります。

同世代の人口が圧倒的に多い特徴があり、受験や就職活動などにおいて必然的に競争が激しくなりました。

また、就職した後も出世争いが激化して、常に激しい生存競争に巻き込まれていました。

そのため、強い競争意識を持ち合わせている傾向にあります。

一方で、同じ世代を生き抜いている同士という意味で、仲間意識も強い特徴があります。

努力は報われるという思考

団塊の世代には、努力は必ず報われるという思考を持ち合わせている場合が多い特徴があります。

団塊の世代が現役世代として働いていた時期には、高度経済成長やバブル経済など、景気が右肩上がりでした。

そこで、努力すればするほど給料が上がり、また役職が上がることが多く見られました。

その分、仕事に打ち込む人が多く家庭を顧みず仕事を優先する働き方が正しいと考えられていました。

流行のものが好き

団塊の世代は、アメリカなど海外からもたらされた新しい文化や、最先端のトレンドに大きな影響を受けて育っています

今では当たり前のように身に付けるジーンズやミニスカートは、団塊の世代によって取り入れられたと言われています。

また、ローリングストーンズやビートルズなど、海外のロックを聴く習慣も定着したのです。

団塊の世代の場合、特に「世界初」や「日本初」などの言葉を好んでいたと言われています。

団塊の世代が過ごしてきた時代背景

団塊の世代が生きてきた時代背景としては、日本の戦後復興を筆頭として、オイルショックやバブルの崩壊など、大きな社会の変化に見舞われた形です。

また、東京オリンピックが開催されたという点も大きく、交通インフラの整備なども急速的に進みました。

好景気や不景気を繰り返す不安定な社会において、最近ではパソコンやスマートフォンといったテクノロジー分野の発展についても、団塊の世代の時代背景を語る上で欠かせません。

団塊の世代の後に生まれた世代

団塊の世代は、日本においてもっとも有名な世代を示す言葉です。

実は、団塊の世代以降に生まれた世代として、以下も有名です。

  • 新人類世代
  • バブル世代
  • 氷河期世代
  • 団塊ジュニア世代

各世代の特徴などについて、詳しく解説します。

新人類世代

新人類とは、1950年代後半から1960年代前半、または1950年代後半から1965年4月1日までに生まれた世代を指す場合が多いです。

ただし、明確に定義されておらず、現在新人類を明確に定義しているマーケティング上の世代区分としては、1961年4月2日から1971年4月1日生まれまでと定義されています。

1960年代前半生まれの人は、共通一次試験を初めて経験した共通一次世代とも重なることで有名です。

新人類の特徴として、成熟した成人となって社会を構成する一員としての自覚と責任を引き受けることを拒否して、社会そのものが一つの物語であるという立場をとっていたと言われています。

音楽のジャンルにおいても、テクノポップが流行するなど、社会的に無機質さが感じられた時代において、高尚な哲学や思想を語ったり一種のファッションとしての地位を獲得することに成功したのです。

一方で、評論家の竹熊健太郎氏によるとオタクと新人類は紙一重であるとされ、同じ人格類型のバリエーションであると唱えている。

1980年代は、ネクラやネアカという言葉がトレンドとなり、社交的で軽く明るい性質が賞賛されていましたが、新人類が生んだ若者文化はどちらかと言えばネアカ志向にありました。

フォークソングは湿っぽいという理由で廃れ始めて、逆にロックやヘヴィメタルが台頭し始めた時期でもあります。

新人類の特徴としては、親子の葛藤が少ない特徴もあり。親子間の文化の壁が小さい友達親子が増えています。

バブル世代

バブル世代とは、バブル景気に沸いた1986年11月から1991年5月までの売り手市場時に就職活動し、入社した世代のことを指します。

また、大卒においては1965年度生まれから1969年度生まれまでの世代、高卒では1969年度から1973年度生まれまでの世代が真のバブル世代と言われています。

バブル景気は1986年11月から1991年2月で続き、有効求人倍率上で言えば1988年から1992年までが売り手市場でしたが、就職活動は入社前となるためバブル世代に該当する世代とギャップが生じているのです。

なお、バブル世代の範囲は以下の説があります。

  • 1965年から1969年生まれ
  • 1970年4月2日から1974年4月1日生まれ

なお、1990年前後の大学進学率は30%前後となっており、短大への進学率と専門学校への進学率がそれぞれ10%前後ありました。

さらに、大学卒業した後の大学院への進学率も10%前後となっており、最終学歴が大卒である人が多いとは必ずしも言えません。

氷河期世代

就職氷河期とは、バブルが崩壊した1993年から2005年卒業で就職活動をおこなった世代のことを指します。

1994年には流行語大賞に選定されたことから、世間に広まった造語となります。

この時代、バブルの崩壊を受けて大半の企業の有効求人倍率が1を割っており、この後約10年近く就職難が継続したのです。

このタイミングで就職活動をおこなった世代が就職氷河期世代と呼ばれており、高卒としては1975年から1985年ごろに、大卒者では1970年から1980年に生まれた人が該当します。

1993年の景気低迷により、1997年までは経済環境が徐々に回復し始めているものの、消費税引き上げやアジア通貨危機が相次ぎました。

さらに、不良債権処理の不手際によって発生した金融関連の破綻によって、景気は一気に冷え込んで企業の採用数が減ったのです。

新卒者の就職先がなかなか決定しない状況において、フリーターや派遣労働などの非正規雇用者が続出した時期ともなっています。

国や地方自治体としては、日本全体で就職支援や企業の採用を促し取り組む動きが活発化していることでも知られており、その支援は今でも継続されています。

団塊ジュニア世代

団塊ジュニアとは、日本において1971年4月2日から1975年4月1日に生まれた世代のことを指します。

第二次ベビーブーム世代とも呼ばれており、最も多いのが1973年出生で2,091,983人もいますが、団塊の世代の最多となっている1949年よりは少ない状況です。

団塊ジュニアは、ポスト団塊ジュニアとともに就職氷河期世代にも該当する世代となっています。

なお、団塊ジュニアは広義でいえば1968年4月2日から1977年4月1日生まれとするケースもあります。

また、1968年4月2日から1971年4月1日生まれは、プレ団塊ジュニア世代という位置付けとされる場合が多いです。

団塊ジュニア世代は、中学生時代や高校生時代の1986年11月から1991年5月頃は、バブル景気で日本が経済的に最も豊かな時期を過ごしました

大学進学率が約40%に上昇していた時期ありで、受験競争が盛んとなり詰め込み教育の影響が強い時期であったと言われています。

オタク第二世代の後半に重なっており、アニメや漫画、テレビゲームなど1980年代の若者文化を担った存在として有名です。

また、小学生時代の1980年代前半には、アニメ「機動戦士ガンダム」が放送され、ガンプラの大ブームが起こりました。

まとめ

団塊の世代は、2025年問題と呼ばれるように2025年には後期高齢者となる世代となります。

超高齢化社会となる要因ともなりますが、高齢になってもまだ元気な方も多くいます。

高齢者となる場合、生前整理を始めた方がよい場合があり、徐々に余生を考えて生活する必要があります。

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