遺産分割協議書の正しい書き方

あなたの親や兄弟などがなくなった際、親しい人がなくなって悲しみに暮れている所でしょうが、残った財産について残った家族に対して所有していた財産を分けなくてはなりません。

しかし、遺産分割をする際には、相続人間のトラブルや相続財産の調査、分割方法など色々と調査、取り決め等、ただでさえ葬儀などで忙しい時にいろいろやるのはとても困るものです。

そこで、遺産分割をより円滑にするために遺産分割協議書の作成が重要となりますが、「そもそも遺産分割協議書とは?」というほどわからない人も多いでしょう。

遺産分割自体初めてという方もいるでしょうから、本記事では遺産分割協議書とは何かということや、具体的な作成方法、相続税との関係性などについて紹介します。

遺産分割協議書の基本

そもそも遺産分割協議書とは何かということを知らない方もいるでしょう。

遺産分割協議書に関して内容を詳しく見ますので、まずは基本的なところから把握してください。

1-1. 遺産分割協議書とは何か

遺産分割協議書とは、遺言書を被相続人が用意していない時などに、被相続人がどの財産をどれだけ相続するかを具体的に記載した協議書となります。

相続人間で話し合った内容を記載し、書類上に記録として残しておくものです。

家族だからと言って色々話した内容の通りにやったら、後で「そんなことは言っていない」「口約束だから無効」「何を話したか覚えていない」というようなトラブルを避けられます。

1-2. 協議書の法的な効力とは

遺産分割協議書の法的な効果については、具体的な相続財産を記載してあり、相続人全員の署名・捺印があれば、法的な効力を有します

法律的には必ずしも遺産分割に必要な書類ではありませんが、書類が存在しているだけで記載されている内容が有効である証明です。

口約束にて相続の内容を決めたとしても、その後に分割内容などを言った言っていないというトラブルにしないように、遺産分割協議書を残しておくと事前に争いを防げます。

1-3. 協議書作成のタイミングと手順

遺産分割協議書の作成には期限はありませんが、被相続人が死亡してからできる限り早いタイミングで作るのが望ましいです。

財産の調査にも時間がかかりますし、相続税にも申告期限が定められており、「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」となっています。

あまり時間をかけすぎると、税金関連のペナルティが出るだけではなく、相続がいつまでも進まないことも考えられます。

ただし、亡くなってから直ぐ話すのは遺族間で拝金主義的だとよくトラブルになりますので、少し落ち着いたら遺産分割協議書の作成を開始してください。

理想的には、相続開始から半年ぐらいまでの作成をおすすめします。

遺産分割協議書の書き方

遺産分割協議書がどのようなものかを把握したところで、次は遺産分割協議書をどう書くかを紹介します。

記載事項をしっかりと把握し、遺産分割協議書が有効に作用するようにし、手続きを円滑に進められるようにしてください。

2-1. 必要な記載事項の詳細

遺産分割協議書について、必要な記載事項の詳細は以下の通りです。

  • 被相続人の氏名、死亡日、本籍、最終の住所地
  • 遺産分割協議書の作成日
  • 相続人が相続する具体的な財産の内容
  • 作成時に判明しなかった相続財産に関しての取り決め
  • 相続人の署名・捺印

法的にこれらの内容を記載すると決まっていませんが、一般的にはこれらの内容を記載する必要があります。

2-2. 協議書の形式と内容の構成

遺産分割協議書に関しては、法的に作成すべき形式というものは存在しません。

なので、相続人間で自由に内容を作成できますが、記載する内容は具体性がなければなりません。

「自由でいいならとりあえず描きたいように書くか」と思っていても、中身が分かり難くて範囲がわからないとか、「自由だと逆に何を書けばいいのかわからない」というトラブルもあります。

なので、実際にはネット上などで遺産分割協議書のひな型を利用しつつ、内容を構成することが望ましいです。

2-3. 書き方の具体的な解説

遺産分割協議書に関しては、具体的な記載方法を紹介します。

遺産分割協議書というタイトルの後に、被相続人の氏名・住所・本籍地・死亡日を記載します。

その後、相続人の誰がどのような財産を相続するのかを具体的に特定できるまでの詳細を記述するのです。

最後に協議を行った日付と各相続人の署名欄及び印鑑を押すスペースを設けます。

印鑑は認印でも効力を有しますが、実印のほうが印鑑証明で確認でき、意思証明がしやすいので、実印を押してください。

特に、初めての相続をする場合には、ひな形通りにやった方が確実です。

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遺産分割の協議方法

遺産分割協議書を作る方法について、「そもそも進め方そのものについて何もわからない」という方も多いでしょう。

遺産分割の協議方法を知っているかどうかで、遺産分割協議書の作成の進捗にも大きな影響を与えてしまいます。

遅れることを避けたいというあなたに、効果的な協議の進め方を紹介します。

3-1. 効果的な協議の進め方

効果的な協議を進めるには、事前に財産と相続人の人数、法定相続分といった必要な情報を把握することが重要です。

必要な情報を確保したら、正確にその情報をまとめたうえで、残った遺産を誰がどれだけ分けるかという協議に移ります。

誰がどのような財産をどれだけ取得するかが決まったら、遺産分割協議書に具体的な内容を記載し、相続人全員の署名・捺印をしてください。

「協議がうまくいかない」という人は、まずはこういった手順を把握していないことが多くあります。

3-2. 協議で合意に達するためのコツ

協議をする際に、どれをどれだけ分割するかをという点が一番揉めるでしょう。

特に、相続人が住んでいた自宅といったものの処分については、被相続人が住むのか売却するのかというような財産の具体的処理で揉めるケースが多いです。

そういったトラブルが嫌なので、「相続の話し合いもしたくない」ということも聞かれますが、それではいつまでたっても進みません。

そのようなときには、財産状況を把握して、どのように処理するのが一番いいのかを選択することで、円滑に財産を処分しやすくなることで、合意に達しやすくなります。

3-3. 法的支援と専門家の活用

遺産分割協議書の作成に関しては、財産調査や必要書類の収集、作成など素人では難しい面が多いです。

相続人間で協力して行っても、正しく作るのがかなり難しいものなので、市役所や法テラスなどの法的支援や専門家を活用して遺産分割協議書を正しく作成してください。

専門の人に代行してもらうことや、しっかりと書類作成をしてもらうことで、相続人の負担を減らし、素早く作成可能です。

「お金が多くかかるから、ただでさえお金がない状況でプロに頼みにくい」と思う方もいますが、プロに頼んだほうが結果的に時間もお金もかからずうまくいきます。

3-4. 遺産分割協議書に関するリアルな声を知る

遺産分割協議書の作成に悩む方は少なくありません。実際、多くの方が「どのように進めるべきか」「トラブルを防ぐにはどうすれば良いか」といった不安を抱えていることが、アンケート調査から分かりました。この調査結果では、作成時に直面する課題や注意点について多くの方の意見を集めています。自分自身のケースに役立つヒントを得るため、ぜひご覧ください。

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遺産分割と税金

遺産分割にて財産を相続した際には、場合によっては相続税が発生します。

場合によってはかなりの額を納める必要があり、相続したらかなりの苦労をしたという声も珍しくありません。

ここからは、遺産分割と相続税に関して紹介します。

4-1. 相続税との関連性

遺産分割をした後に、相続した財産に応じて相続税が発生するかもしれません。

ただ、相続した財産が一定の控除額を越えなければ支払する義務は発生しないものであり、控除額も相続の人数などによって変化します。

実際に支払っている人の割合は「令和2年分 相続税の申告事績の概要」によりますと、2020年度における課税割合はたったの8.8%です。

ほとんどの方には関係ないので胸をなでおろす結果になりますが、中には税金を支払う人もいるので、税金対策や支払い方法の確認をしなければならないでしょう。

4-2. 税金対策と遺産分割

相続税はかなり多くの税金を支払うことが多いため、遺産分割の方法や事前の対策によっては大きく変化します。

税金を支払わない、もしくはより支払を減らしたい場合には生前にさまざまな手段があるのですが、その方法を手法別に分けて紹介します。


贈与をする手段

  • 暦年贈与
  • 一括贈与
  • 配偶者に居住用不動産を贈与

相続人を増やす手段

  • 養子縁組で相続人を増やす(ただし、養子縁組で相続人に慣れるのは1人まで)

その他の方法

  • 生命保険に加入すると、相続税の対象外になる
  • アパート経営で借入金を利用する
  • 死亡退職金を受け取る

4-3. 税務申告と必要な書類

相続税が発生する際に、申告する時に必要な書類はかなり多くあり、短くまとめると以下の通りとなります。

  • 第1表から第15表までの相続税申告書
  • 申告人であることを証明することなどの必要書類
  • 財産別における必要な添付書類

かなり多くの書類が必要なっており、見ただけでも「これは難しそう」という話になるでしょう。

なので、税理士といった専門家の方に書類作成を依頼すると、円滑に進めやすいかと思われます。

あなた自身が税金のことはほぼわからなくても、プロならそういった計算も慣れているので安心してください。

なお、必要書類について詳しい解説は、以下のリンク先を参照にしてください。

相続税申告書|必要書類や添付書類、効率の良い収集方法について解説

遺産分割におけるトラブルとその対策

遺産分割となると、大きな財産を分け合う行為なので、相続人間におけるトラブルが発生します。

将来のトラブル回避のために遺産分割協議書を作るのに、事前にトラブルになっていては分割協議をする

5-1. 一般的なトラブルと対応策

遺産分割において一般的なトラブルに関してはいくつかありますが、その具体例は以下の通りです。

  • そもそも遺産分割協議がまとまらない
  • 遺産分割協議に従わない人がいる
  • 分割協議に相続人全員がいなかった
  • 判断能力が乏しい相続人が成年後見人等を立てなかった
  • 遺言書が後にあったのが発覚した

法律のことを知らない人も多く、「こんなことがあってやり直しになった」という話も珍しくはありません。

相続人は必ず全員が協議し、必要ならしかるべき代理人も立てつつ、あらかじめ財産や遺言書の存在などしっかりと把握することが必要です。

5-2. 法的トラブルを避けるためのヒント

遺産分割協議書作成の際に法的なトラブルを避けるためには、事前調査がとても大事になります。

相続人が生前に遺言書を作成しているかどうか、資産が残っているかどうか、争いになりそうなことはないかなど、生前に遺産分割についてお互いに話し合うことが重要です。

あらかじめ財産の処理について話しておき、トラブル対策をしっかりすれば、トラブルはかなり避けられます。

5-3. 協議書の不備とその修正方法

遺産分割協議書に不備がある場合には、訂正箇所によって修正方法が異なります。

特定の相続人における住所・氏名といった個人に関する情報を訂正するときには、訂正箇所を二重線で消した後に、相続人の実印を押して訂正します。

被相続人の住所・氏名や財産の詳細、(不動産情報、銀行の口座番号など)を訂正するときには、二重線で消して訂正した後に、遺産協議書に捺印した相続人全員からの訂正印が必要です。

訂正箇所によって方法が異なりますので、修正方法を間違えて用紙の隙間がなくなることや、文章が読みにくくなったりしないようにしてください。

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Q&A:よくある質問

ここからは、遺産分割協議書についてよくある質問を紹介します。

法律が絡んでくることなので、細かいところでも不備があると手続きが円滑に進みませんので、できる限り不安や間違いそうな部分を潰して、安心して協議書作成を進めてください。

6-1. 協議書は公証人の証明が必要か

遺産分割協議書について公証人の証明は不要です。

遺産分割協議書は相続人間で話し合った結果、どの財産を分割するかを決め、遺産分割協議書に署名・捺印をすれば法的効果のある書類となります。

公証人は遺産分割協議書には必要ありませんが、事前にトラブルがありそうな場合には、第三者の介入という形で内容を確実にするために、公証人を入れたほうがいいケースもあります。

6-2. 海外の資産は協議書にどう記載するか

海外に資産がある場合でも、協議書に記載する内容は、国内財産と基本的に変更はありません。

海外に所有している不動産の所在地、誰が相続するかの旨を記載して、協議書を作成します。

ただし、諸外国には印鑑登録制度がないことから、遺産分割協議書の署名については、公証役場でサイン証明を取得しなければなりません。

海外に住んでいる人との慣習上の違いがでて、相続時に「印鑑じゃないのですか?」と聞かれることもある点です。

6-3. 相続放棄が協議書に与える影響

相続人になっている人が相続放棄をした場合には、その相続人は最初から相続する権利がなかったことになるため、遺産分割協議書に相続する財産を記載してもその部分は無効です。

また、遺産放棄した相続人に子どもなどに代襲相続の権利も発生しませんので、記載内容が代襲相続人が受け継ぐということもありません。

たまに、相続放棄した人の子どもなどが勘違いをして相続権を訴えてくるケースがありますが、そういったことはできないことに注意してください。

なので、相続放棄した人の相続分は、他の相続人に改めて分割しなければなりません。

遺産分割協議書を作成する際には、あらかじめ相続放棄をした人は、相続放棄をした旨を記載し、残った相続人が具体的な相続をすることを記載してください。

まとめ

遺産分割協議書作成は、相続時のトラブル対策及び相続手続きを円滑にするために必要です。

協議時には財産の把握から、誰がどれだけ財産を取得するか、書類内容に不備がないかなど確認点は多いですが、サンプルをしっかりと把握しお互いに納得できる内容を記載できれば、トラブルなく相続できます。

「そういえばあそこの部分の記載を忘れていた」「仲が悪い兄弟がいるからどうしても話したくない」といったことで進まなくならないように、しっかりと確認や準備をしてください。

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