喪明けと忌明けの違い|喪明けまでの期間や喪中に避けるべきこと

一般的に、身内が亡くなった際に喪中などの表現をする機会が多いです。

また、喪が明ける際に使用する喪明けも、一般的に知られているフレーズです。

ただし、喪明けのほかにも忌明けという言葉があるのをご存じでしょうか。

喪明けと忌明けでは若干ニュアンスが異なるため、正しく用語を使い分ける必要があります。

では、喪明けと忌明けには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、喪明けと忌明けの違いや、喪明けまでの期間や喪中に避けるべきことなどを紹介します。

喪明けとは

喪明けとは、喪中明けとも呼ばれることが多いものです。

喪明けとは、故人の死に対して喪に服していた遺族や親族が、喪中の期間が終了して日常生活に戻ることを指す言葉です。

では、喪に服す期間や忌明けとの違いはどのような点があるのでしょうか。

ここでは、喪明けについてより詳しく見ていきましょう。

喪に服す範囲

喪明けは喪に服す期間が明けることを指しますが、そもそも喪に服すとは、故人の死を悼んで身を慎むという意味があります。

さらに分解すると、喪には近親者が亡くなった場合に一定期間は喪服を着用して故人の冥福を祈りつつ慎ましく過ごすという意味があるのです。

過去は、喪中の期間は喪服を着用するだけでなく、祝い事を筆頭に遊んだり笑ったりすることが慎まれてきました。

さらに、食事についても節制し、お酒や肉を絶っていたのです。

さすがに、現代では過度な節制はしなくなったものの、お祝い事だけは避ける風習に変化はありません。

また、喪に服するのは近親者のみとなります。

一般的に、自分を中心として以下の親族が亡くなった場合、喪に服す形となります。

  • 一親等:父母・配偶者・子
  • 二親等:祖父母・兄弟姉妹・孫

上記は一般的な解釈であって、喪に服すかどうかは気持ちの問題という側面もあります。

よって、喪に服したい場合は自ら喪に服して喪中はがきなどで周囲に通知する形を取るのが一般的です。

忌明けとの違い

喪明けと忌明けの違いを解説すると、肉親や親戚が亡くなった際に、一定の期間自宅で身を慎むことを忌服と呼ばれています。

忌中と喪中は、この忌服の期間を指す言葉となりますが、実際には過ごし方はやマナーはほぼ共通しています。

主に、期間のみが異なるのが特徴です。

喪明け・忌明けまでの日数

喪中の期間は、一般的には故人との関係性によって変動する形となります。

喪中の期間を決める根拠となっていたのが、明治時代に喪中と忌中の期間が定められていた大政官布告と呼ばれる法令です。

現在では大政官布告は撤廃されて存在しませんが、今でも考え方自体は残っていて喪中の期間を決定付ける目安となっています。

なお、大政官布告では以下が喪中として定められていました。

  • 父母・夫:13ヶ月間
  • 義父母:150日間
  • 妻・子供:90日間

ただし、大政官布告には大きな問題点があったのです。

それは、夫と妻の差が極端であり、男女差別に当たると考えられたのです。

これにより、現代では性別は無関係として親等で喪中の期間を決定することが多くなっています。

現代では、主に以下の期間が喪中とされるケースが多いです。

  • 1親等(配偶者や父母など):12~13ヶ月間
  • 1親等(子供):3~12ヶ月間
  • 2親等(兄弟姉妹や祖父母):3~6ヶ月間

3親等以上(おじやおばなど)の場合、喪に服す必要はないという考え方が一般的です。

喪中の期間は、主に大政官布告が根拠とされていますが、実際には諸説がある宗教などによっても考え方が異なるのです。

例えば、仏教と浄土真宗では考え方が違い、人は亡くなってすぐに成仏すると考えられており、喪中を設定しないケースもあります。

また、現在主流となっている親等による決定方法にとらわれず、故人との関係性によって喪中の長さが変化するのが一般的です。

最近では、喪中の期間を決める基準として同居の有無を重視するケースも多く、同居している場合は親等に関係なく12ヶ月程度喪に服すケースもあります。

一方で、忌中とは親族が亡くなった日を起点として、四十九日法要を執りおこなう期間を指します。

よって、四十九日法要を終えたら段階が忌明けとなる形です。

日本においては、過去から死は忌まわしいことと考えられてきました。

死による穢れを他人に伝染させることがないように、忌中においては慶事やお祭りへの参加を避けるのが一般的です。

これにより、外部との接触を可能な限り避けて、身を慎む必要があります。

なお、神道では五十日祭の翌日までが忌中となります。

さらに、キリスト教においては忌の考え方自体がないものの、日本の風習に合わせて以下を忌中とされている場合が多いです。

  • プロテスタント;1ヵ月後の召天記念日まで
  • カトリック:三十日目の追悼ミサまで

喪中期間に別の親族が亡くなった場合

不幸にも、喪中の期間に別の親族が亡くなるケースも考えられます。

もし忌服の期間中に別の近親者が亡くなった場合は、新たに亡くなられた方の死亡日から次の忌服を重ねて、その喪が明けるまでが喪中となるのです。

よって、最初に亡くなられた方の喪が明けたとしても、続けて亡くなられた方の喪中となる可能性があるため、注意してください。

喪明けまで避けるべきこと

喪中には、さまざまなことを慎む必要があります。

主に慎むべき事柄として、以下があります。

  • 年賀状やお正月のお祝い
  • 神社へのお参り
  • 結婚式
  • 地鎮祭
  • 新居・車の購入

各行動について、詳しく解説します。

年賀状やお正月のお祝い

年賀状やお正月のお祝いは、喪明けまで避けるべきです。

年賀状では、「明けましておめでとうございます」という決まり文句があります。

この挨拶のように、年賀状には本来おめでたいという意味があるため、喪中には年賀状を出すことを遠慮すべきなのです。

喪中はがきとは

喪中はがきとは、喪中であり年賀状を出さない旨を周囲に知らせる年賀欠礼の挨拶状となります。

年賀状は、年々出す機会が減ってきているものの、まだまだ文化として根付いています。

毎年年賀状をやりとりしている人から急に年賀状が届かないと、相手が不安に思うものです。

また、喪中は相手から年賀状を受け取ること自体もなるべく避けたいため、喪中はがきを送付して知らせるのが一般的です。

喪中はがきを出すタイミング

喪中はがきを出す場合、送付するタイミングも重要となります。

ベストなタイミングは、年賀状の準備を始める11月から12月初旬となります。

これ以上早すぎると、喪中であることを忘れられる可能性があり、またこれ以上遅いとすでに年賀状を準備している可能性があり、相手に迷惑をかける可能性があります。

よって、11月から12月初旬を狙って喪中はがきを出しましょう。
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神社へのお参り

神道においては、死は穢れたものと考えられています。

よって、神様をお祭している神聖な場所となる神社への参拝は、基本的に避けるべきです。

また、穢れは気枯れと表されて、親族を亡くして気力がない状態を示すケースもあります。

気枯れを神社に持ち込まないという意味でも、神社へのお参りは避けるべきとされています。

喪中であっても神社の参拝は可能です忌中は参拝を遠慮しましょう。

なお、忌明けであればご祈祷やお守り、お札の購入やおみくじを引くことも問題ありません。

結婚式

喪中はお祝いごとを慎むべきという考え方により、結婚式は控えるべきです。

ただし、お互いの考え方により忌中を過ぎてからおこなう場合や、喪中に関係なく実施する場合もあります。

地鎮祭

地鎮祭とは、土木工事や建築工事を実施する場合に工事が無事完了するように神主を招いて安全祈願する儀式です。

地鎮祭では、大半が神式で執り行われることになるため、基本的には喪中には避けるべきとされています。

新居・車の購入

喪中に新築物件を購入したり新築住宅を立てること自体は、特に問題ありません。

ただし、人によっては良い顔をしない場合もあるのです。

よって、喪中が気になる場合は避けた方が良いでしょう。

同じく、自動車の購入も特に制約はないものの、避けた方が良いケースがあります。

まとめ

喪明けは、以前と比較すれば制約される事柄は減ったものの、基本的に祝い事は避けなければなりません。

また、自分自身の気の持ちようによって喪明けまでの期間は変化します。

周囲の環境なども加味して、喪中の期間や行動をよく考えてください。

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