任意後見制度とは?費用や内容について詳しく解説!

予後を考えたときに、いつどのようになるのかがわからなくなるものです。

明日、自分自身の身に何かが起こると考えた場合、自分自身ではできないことを他人に任せたくなります。

そこで、自分の意思を伝えて自分のやりたいことを任せらせる制度に、任意後見制度があります。

任意後見制度を利用すれば、より自分の余生を有意義に過ごせる可能性が高いため、積極的に利用したい制度です。

では、任意後見制度とはどのような仕組みなのでしょうか。

この記事では、任意後見制度を利用する上での費用や内容について、詳しく解説します。

任意後見制度とは

任意後見制度とは、認知症や障害が発生する場合に備えて、自分ひとりで決められるタイミングであらかじめ本人自らが選んだ人にやってもらいたいことを契約で決めておく制度です。

自分が選んだ人のことを任意後見人と呼び、代わりに実施してもらいたいことを任意後見契約と呼びます。

現時点では特に健康面で大きな不安はないものの、将来的には認知症になるなどの不安を感じるものです。

そこで、まで現時点では正常な判断が下せるタイミングで、将来を見越して事前に公証人役場で任意後見契約を締結しておきます。

そして、実際に認知症の症状が出始めたと感じたタイミングで、家庭裁判所に申し立てをして任意後見監督人の選任を選定してもらう形で利用可能です。

なお、任意後見制度と類似する仕組みとして、法的公認制度があります。

法定後見とは、本人の判断能力が低下した後に親族などが家庭裁判所に申し立てて、本人をサポートする制度のことです。

任意後見の場合は本人が申し出る形で利用できるのと違い、法的後見の場合は自分の意志が反省されない可能性があります。

法的後見の場合、他にも代理権や同意権などの権限が与えられるものの、一定の制限がかかります。

以上のように、任意後見と法的後見の違いを正しく理解して、自分の意思をより反省させたい場合は任意後見制度を利用するのがおすすめです。

代理人の選び方

任意後見制度の肝となる部分として、どのような代理人を選定できるかが挙げられます。

代理人のことを任意後見人と呼びますが、自分の身代わりとなって各種手続きなどを代行してもらうため、信用できる人物に依頼したいものです。

ここでは、任意後見人の選び方を紹介します。

代理人はだれがなれる?

任意代理人は、特に資格などは不要であり、判断力のある成人であれば誰でもなれます。

ただし、誰でもなれるといっても適正な人物を選定しないと、自分の意思などを引き継いでもらえない可能性が高いです。

本人の人生観や嗜好により、財産管理の方法や施設入所の場合の希望などは千差万別です。

よって、契約の内容は実に複雑となるケースが多いです。

任意後見制度の本来の目的としては、本人の権利を保護すること、主体性を重視する点があります。

ある程度法律的な知識があり、任意後見人の経験がある人に依頼する方法もあります。

また、多くのケースでは任意後見人として親族が対応するケースが多いです。

親族の場合でも、自分よりも年齢の高い親族に依頼すると亡くなっている可能性があり、身体的に対応できない場合も想定されます。

よって、自分の子どもや弟、妹などの年齢の低い親族に依頼するのが一般的です。

なお、親族を後見人とする場合は、事前に他の親族とも相談しておきましょう。

誰を後見人に選ぶかは本人の裁量によりますが、後でトラブルに発展する可能性もあるため、事前に他の親族に相談しておくことをおすすめします。

その他の選択肢としては、事実婚の配偶者などを選任するケースもあります。

代理人になれない人

任意代理人は、基本的に誰でもなれると解説しましたが、法律上でなれない人が決まっています。

  • 民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百四十七条各号(第四号を除く。)に掲げる者
  • 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
  • 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者

また、民法847条では後見人の欠格事由を以下と定めています。

  • 未成年者
  • 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
  • 破産者
  • 被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
  • 行方の知れない者

上記点に注意して、適切な人物を選定してください。

代理人になるための手続き

任意代理人となるためには、法的な手続きが必要です。

任意後見受任者を決定して以降、以下の手続きを踏む必要があります。

  1. 公正証書により契約を締結する
  2. 任意後見監督人の申し立てをおこなう
  3. 任意後見受任者に選任される

各流れについて、詳しく解説します。

1.公正証書により契約を締結する

任意後見受任者を選定して具体的な契約内容を決定して以降、本人と任意後見の受任者との間で任意後見契約を締結してください。

なお、契約には以下の3種類が存在します。

  • 即効型:任意後見契約を締結してすぐに任意後見を開始する場合に締結
  • 将来型:本人の判断能力に問題がない時点で任意後見契約を締結
  • 移行型:任意後見契約を結ぶ際に見守り契約や財産管理などの委任契約を締結

契約する場合は本⼈と任意後⾒受任者の2名が最寄りの公正証書役場に出向いて、公正証書を作成しなければなりません。

公正証書により締結した任意後見契約以外は、すべて無効となるので要注意です。

また、契約するにあたり以下の書類が必要となります。

  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 運転免許証
  • パスポート
  • 印鑑登録証明書
  • 診断書
  • 財産目録
  • 不動産の登記簿謄本

もし、本人の身体が不自由であるなどの事情により、公証役場に出向けない場合は公証人に自宅に来てもらう形で対応も可能です。

2.任意後見監督人の申し立てをおこなう

契約を締結した後、本人の認知機能が低下したタイミングで任意後見監督人の選任を申し立てます。

実際に申し立てを行えるのは、以下の方のみです。

  • 本人
  • 任意後見受任者
  • 配偶者
  • 四親等内の親族

申し立ては、本人の所在地にある家庭裁判所に出向いて実施します。

もし、本人以外が申し立てする場合、原則として本人から同意を得なければなりません。

任意後見契約と同様に、申し立て時も以下の書類の提出が必要です。

  • 申立書
  • 申し立て事情説明書
  • 本人の財産目録及び資料
  • 本人の収支状況報告書及びその資料
  • 任意後見受任者事情説明書
  • 親族関係図
  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 後見登記事項証明書
  • 後見登記されていないことの証明書
  • 任意後見契約公正証書の写し
  • 成年後見用の診断書

3.任意後見受任者に選任される

任意後見監督人を選任する場合、家庭裁判所が本人や任意後見受任者の事情を鑑み審理を実施します。

選任の結果は即日ジャッジされるわけではなく、後日決定して結果が家庭裁判所から任意後見人に対して郵送で通知されます。

なお、家庭裁判所の依頼に従って、任意後見監督人に関する情報と任意後見が開始された事実は、法務局が登記するのです。

任意後見監督人が選任されたタイミングで、任意後見受任者は任意後見人となって契約に従った支援をスタート可能です。

セットで契約するべきものとは

任意後見の契約において、同時に契約しておきたい項目として、以下があります。

  • 見守り契約
  • 任意代理契約

各契約についての詳細は、以下のとおりです。

見守り契約

任意後見が始まるまでの間に、支援する人が定期的に本人と電話連絡を取ったり本人の自宅を訪問して面談します。

そのうえで、支援する人、本人の健康状態や生活状況を確認して、任意後見をスタートさせる時期を判断する契約が見守り契約です。

多くが、任意後見契約と同時に見守り契約を締結しますが、以下のパターンも存在します。

  • 見守り契約、任意後見契約、死後事務委任契約
  • 見守り契約、死後事務委任契約

任意代理契約

任意代理契約とは、財産管理委任契約と呼ばれる場合もあり、自分の財産の管理の一部または全部について、自分で選定した代理人に代理権を与え委任する契約の事です。

任意代理契約は、民法上の委任契約の規定に基づき実施されます。

任意代理契約は、成年後見制度と異なり判断能力が減退していない場合でも利用可能です。

委任者に判断能力があることが前提で利用可能であり、委任者が成年後見を開始されると任意代理契約は終了となります。

任意後見の費用

任意後見を利用する上で、気になるのが費用です。

どれだけ便利な精度であっても、高い費用が掛かってしまっては二の足を踏まなければなりません。

任意後見にかかる費用として、主に以下が挙げられます。

  • 公正証書の作成手数料
  • 任意後見監督人選任の申し立て費用
  • 任意後見人に対する報酬

各費用について、詳しく解説します。

公正証書の作成手数料

公正証書を自分自身で作成するのは困難であり、基本的には司法書士や行政書士に依頼するのが一般的です。

作成にかかる費用としては、以下のようになっています。

費目 税込金額
基本手数料 11,000円
登記嘱託手数料 1,400円
印紙代 2,600円

合計、14,000円程度の費用を見込む必要があります。

任意後見監督人選任の申し立て費用

任意後見監督人選任の申し立てにかかる費用は、以下のとおりです。

費目 金額
申し立て手数料 800円
登記手数料 1,400円
切手代 3,000円~5,000円
精神鑑定費用 50,000円~100,000

なお、精神鑑定費用は成年被後見人の精神鑑定費が必要な場合にのみ負担が必要です。

任意後見人に対する報酬

任意後見人に対しては、対価として報酬の支払いが必要です。

ただし、法律上では契約時に報酬条件を決定していない場合は、報酬を支払う必要がありません。

例えば、身内や親族が任意後見人となる場合は、事実無報酬となる場合が一般的となっています。

弁護士や司法書士などに依頼する場合の報酬の目安は、以下のとおりです。

管理財産額 報酬の目安
基本報酬 1,000万円以下 20,000円
1,000万円超〜5,000万円 30,000〜40,000円
5,000万円超 50,000〜60,000円
身上監護などに特別困難な事情があった場合 基本報酬額の50%程度
訴訟、遺産分割調停など特別な行為の場合 相当額の報酬を付加

もし任意後見人が数人いるケースでは、上記報酬額を負担内容の割合に応じて配分して支払います。

任意後見のメリット

任意後見のメリットとしては、後見人を自由に選べる点が大きいです。

自分の判断能力が低下する前に自らの意思で後見人を選定できます。

また、任意後見人は一部条件を除いて、成年であればだれでも選任できるので、自分のことを理解している親族などにも依頼できる点が魅力的です。

他にも、自分の判断能力が低下する前から任意後見人への要望事項を決められる点もメリットとなります。

契約時に、生活や財産管理、医療監護」に関する項目を定めておけば、より自分の希望に沿った対応を望めます。

他にも、家庭裁判所に任意後見監督人を選任してもらう必要があり、適切な人物でしか任意後見人になれない点も魅力的です。

これにより、判断能力がなくなった状態でも、事前に締結した任意後見制度契約に基づいた支援の実施有無を、第三者が監視してくれるので安心です。

任意後見のデメリット

任意後見について、メリットだけでなくデメリットも少なからず存在します。

最大のデメリットは、死後の事務や財産管理までは依頼できない点です。

任意後見契約は、被支援者が亡くなった時点で修了となります。

よって、もし一人暮らしで身寄りのない方が亡くなったケースでは、葬儀や墓の手配などを依頼できないので、被支援者の不安が増大します。

また、任意後見の場合は法定後見と違って、取消権を有していません。

取消権とは、被支援者の判断能力がない状態にも関わらず、任意後見人が立ち会わずに不利な契約を結んだ場合、契約を取り消けせる権利のことです。

すでに判断能力が低下している方に対して適用される法定後見制度では取消権が認められている一方で、任意後見制度では取消権は存在しません。

よって、不利な契約を結んだとしても、それを取り消す手段はないのです。

他にも、任意後見の場合は判断能力が低下したタイミングからスタートするものの、本人の判断能力の低下をどのように確認するのが難しいという問題点があります。

まとめ

任意後見は、自分の意思を任意後見人に継承できる魅力的な制度です。

類似する法的後見とは考え方が微妙に異なるため、どちらを選ぶかが重要なポイントとなります。

任意後見制度のメリット、デメリットを本記事を参考に理解して、制度を最大限活用してください。

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