業(カルマ)の意味を分かりやすく解説!業を使った慣用句も紹介

仏教において様々な言葉が使用されており、その中には現代でも当たり前のように使用されているものがあります。

なかでも、業(カルマ)はよく知られた言葉であり、使用するシーンこそ多くないものの使用される場合が多い言葉です。

ただし、業(カルマ)の正しい意味を知っている人は実は少ないのではないでしょうか

では、業(カルマ)とは具体的にどのような意味がある言葉で、どのように使用されているのでしょうか。

この記事では、業(カルマ)について徹底解説します。

業(カルマ)とは?

業はカルマと呼び、サンスクリット語では行為や行為の結果として蓄積される宿命と訳されます。

業(カルマ)は過去の行為は、良い行為であっても悪い行為であっても、いずれ必ず自分に返ってくるという意味があります。

一般的には因果応報の法則と考えられており、インド占星術の土台として知られているヴェーダ哲学の根底に流れる思想のことです。

業(カルマ)をスピリチュアルの要素を踏まえて解釈することで、前世から今世に持ってきた因果関係と説明可能です。

人が発する様々な思いと行動は、人生の記録として魂に刻まれて、その人の傾向性を形成していきます。

業(カルマ)の場合、以上のように作り出された心の傾向性のことを指すのです。

業の語源

「業」という漢字は、楽器をかけるためにのこぎりのような形状にさまざまな装飾を施した飾り棚を表した象形文字から成り立っていると言われています。

そして、「いた、しごと、わざ」を意味する「業」という漢字が形成されたのです。

業の意味としては、先に紹介したとおり以下のような内容となります。

  • 仕事
  • 行い
  • 功績
  • 手柄
  • 学問技芸
  • なりわい

さらに、より細分化すると以下のような意味合いもあるとされています。

  • はじめ
  • はじめる
  • 端緒
  • 基礎
  • すでに
  • まえに
  • もはや

ほかにも、使用される頻度こそ少ないものの、屋敷や土地・建物の類という意味合いもあるとされています。

業の仏教上の意味

業(カルマ)が仏教で使用される意味は、報いのもととなるすべての行いということになります。

仏教における業(カルマ)は果報を生じる因となり、業因や因業と言われるケースも多いです。

本来の意味は行為を指す言葉ですが、仏教で「は行為」と「その行為が存続して果報をもたらす力」という意味で使用されます。

身体と口、そして意(心)に基づいて行われた行為を身口意の三業(さんごう)と言います。

また、個人の業を不共業(ふぐうごう)、社会全体の業については共業(ぐうごう)となり、良い行いをすることを仏教では説いているのです。

業の種類

インド哲学においては、カルマ論と呼ばれるものが存在します。

カルマ論とは、行いの結果によってもたらされる法則のことを指します。

どのような小さな出来事においても必ず原因が存在し、どのような行いであっても結果が自分に返ってくると考えられているのです。

人間は、生を受けて死ぬまでの間に、常に何かを行って生きています。

例えば、睡眠をとっている間であっても、臓器は動いている形です。

人間が生きる上で欠かせない行いには、常にその結果が付きまといます。

行いの中では、肉体的に行動するだけでなく思考や言葉も含まれるのです。

すべての行いに対して結果が付いてきて、その結果は自分に等しく戻ってくるということを説いているのがカルマ論となります。

行いの結果として、行いの裏にある意図で決まるとされており、その行いとして以下の2種類あります

行いの種類 詳細
プンニャ 良い結果をもたらす行いを指す。良い意図からの行いは、プンニャという形でサンチタカルマに蓄積される。良い意図からの行いといとは愛やおもいやりを原動力に行うことを指し、過去のプンニャが要因となり良い結果がもたらされると考えられている。
パーパ 悪い結果をもたらす行いを指す。悪い意図からの行いは、パーパという形でサンチタカルマに蓄積される。悪い意図からの行いとは、具体的には利己的な考えを原動力に行動することを指し過去のパーパが原因となり悪い結果がもたらされると考えられている。

さらに、業(カルマ)自体にも以下3つの種類が存在します。

業(カルマ)の種類 詳細
アーガーミカルマ 自分自身の知識を得たあとにニャーニ(賢者)の体を通じて行われた良い、または悪い行為の結果を指す。
サンチタカルマ 過去の蓄積したすべてのカルマを指す。
プラーラブタカルマ サンチタカルマからすでに表れているカルマのことを指す。変えることができないものとなり、人間の国籍や時間、性別、体などが該当する。

業(カルマ)と輪廻転生の関係

輪廻転生とは、人間は何度も生死を繰り返して、新しい生命に生まれ変わることを意味する言葉です。

実は、業(カルマ)と輪廻転生には密接な関係があります。

人生において自分の想い通り進まない分野がありますが、その場合は何かしらの過去生から残る恨みがあると考えられています。

恨みではなく、心残りやこだわりと感じる場合もあるでしょう。

また、人間にとって自分らしさなどの形で実感するケースもあります。

自分らしさという価値観は、自分に課している因果となり業(カルマ)そのものなのです。

一般的に、自分らしさは自分から変わろうとはしません。

よって、多くの魂は脈々と輪廻転生を繰り返して業(カルマ)を重ねていくのです。

業を使った慣用句

業(カルマ)を使用した慣用句は、実に種類が多く存在します。

特に、以下3つの慣用句が有名です。

  • 自業自得
  • 業を背負う
  • 業が深い

各慣用句の詳細について、解説します。

自業自得

自業自得とは、今まで悪いことをしたために、ひどい目に遭ったのも仕方ないという意味で使用されることが多いです。

「自業」とは自分の行いという意味があり、「自得」には自分が結果として運命を得るという意味があります。

よって、自業自得とは自分の行為が自分の運命を生み出すという意味があるのです。

仏教においては、悪い場合に限らず良いのも悪いのも例外ではなく、すべての運命が自業自得と説かれています。

業を背負う

業を背負うとは、業を抱えながら生きている状態を指します。

ここでいう業とは、罰せられるような悪事のことや後悔を意味します。

自分自身で自覚がある過去の過ちや悪事に報いた結果、そして前世の行いに悪があったのかを想像するような、辛い状態の時に使用される慣用句です。

業を背負うの類似表現として、因果応報という言葉があります。

因果応報には、過去や前世の善悪の行いによって、現在に幸または不幸の果報があって、現在の行為に応じて未来の果報が生まれることを意味し、因果応報も仏教で用いられる言葉です。

業が深い

業が深いとは、前世の罪深さによって、多くの報いを受けているさまを指す慣用句です。

おもに、運が悪かったりひどい思いをしたりする場合に用いられます

情が深いと似ている言葉のため、ポジティブなイメージを持つ場合がありますが、業が深いはネガティブな言葉となります。

悪い業を断ち切る方法はある?

業(カルマ)を理解している方の場合、人生を送る中で悪い出来事が発生すると、前世で何を犯したのかと考えがちです。

人間は、どうしても悪いものばかりに着目しがちですが、人生を送る中で良いことも悪いことも必ずあるものです。

そこで、徳を積んでいくことによって、これからの人生や来世の人生に対して、良いことが反映されやすいと考えられています

人間が輪廻転生を繰り返すことは、霊格をあげるという目的があるためと言われています。

魂は何を学んでどのように向上していのかなど、目的を持ったうえでこの世に生まれてくるのです。

ただし、自分の魂が望んでいない悪い行いをしてしまった場合、悪い業(カルマ)を背負ったままこの世を去ってしまいます。

そして、次に生まれ変わった時に悪いカルマを解消しなければなりません。

苦労の多い人生の原因となる、業(カルマ)の悪癖を解消しなければ不運が継続し、不運が続くことで更に心が荒んでしまい、新たな悪癖に手を出すケースもあります。

業(カルマ)の悪癖については、現世において悩みや問題として表面化されますが、そこから逃げずに乗り越えて改善できれば、霊格があがるとされています。

業(カルマ)の悪癖を解消するためには苦しみや辛さに耐えなければなりませんが、これにより愛に気づいて感謝の気持ちを持つための修行を積めると考えられています。

まとめ

業(カルマ)には、過去の行為は良い行為であっても悪い行為であったとしても、必ず自分に返ってくるという意味があります。

普段生活する中で、自分だけの人生だからという理由で悪い行いばかりしていると、来世において自分に跳ね返ってくる可能性があるのです。

よって、常に業(カルマ)を意識して生活を送るとよいでしょう。

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