私の夫が病気で亡くなったのは6年前のことです。
夫が残した遺品の数々は、私にとって手放すのが難しいものでした。しかし、家のスペースが限られており、幼い子供のおもちゃの置き場所にも困るようになり、気持ちに区切りをつけるためにも、夫の遺品整理を決意しました。
そんな時、以前から不用品回収をお願いしていた業者が遺品整理も行っていることを知り、信頼している彼らに依頼することにしました。
作業当日、遺品整理のスタッフは朝早くから来てくれました。
私は「遺品整理」と聞くと、故人を偲びながら丁寧に行うものだと思っていました。しかし、実際の作業は不用品回収のように淡々と、スタッフは無駄な言葉を交わさず、効率的に遺品を運び出していきました。
最初はその光景に戸惑いを感じましたが、次第にその淡々とした進行が私にとって良かったのだと気付きました。もし、イメージどおりに「故人を偲びながら…」という雰囲気で作業が進んでいたら、深い悲しみに引き戻されていたことでしょう。
作業は順調に進み、家の中はすっきりとしました。
スタッフの皆さんに感謝しつつ、夫との思い出を大切にしながらも、前に進む勇気が出たこの経験は、私にとって大きな転換期となりました。
遺品整理を通じて、少しずつではありますが、新しい生活に向けて心の整理ができたと思います。
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